海の蝶の夢に浮かんだよしなしごと 
                    

 白 江 庵 雑 記 




第一部 

 「蝶の雑記帳

   短文の集まり

.  2013 1-10、付録

.  2014 11-22、付録

.  2015 23-35、付録

.  2016 36-48、付録

   2017 49-64

     2018年 65-77

     2019年 78-90

      2020年 90-96

     2021年 97-107

   2022年 108-118

   2023年 119-126

 new2024年 127-132

   2025年 133-


第二部 雑詠日記

5.可楽余韻

  巻の一 2024年


4.海蝶息音

   巻の一 2015年

   巻の二 2016年

   巻の三 2017年

   巻の四 2018年

   巻の五 2019年

   巻の六 2020年

   巻の七 2021年

      巻の八 2022年

    巻の九 2023年


3.「海蝶夢話」篇 九巻

   扉・目次

   巻の一 2006年

   巻の二 2007年

   巻の三 2008年

   巻の四 2009年

   巻の五 2010年

   巻の六 2011年

    巻の七 2012年

    巻の八 2013年

     巻の九 2014年


2.「秋水泡語」篇 九巻

   扉・序・目次

   巻の一 1997年

   巻の二 1998年

   巻の三 1999年

   巻の四 2000年

   巻の五 2001年

   巻の六 2002年

   巻の七 2003年

   巻の八 2004年

   巻の九 2005年


1.「徐山猿声」篇 九巻

   扉・目次

   巻の一 1988年

   巻の二 1989年

   巻の三 1990年

   巻の四 1991年

   巻の五 1992年

   巻の六 1993年

   巻の七 1994年

   巻の八 1995年

   巻の九 1996年

   解題



第三部 エセー (試み)



* 「日本列島の古代史


 『倭国はここにあった』



3 孫に語る歴史


  扉・はじめに・目次

  第1章 

    歴史のあけぼの

  第2章

    文明のはじまり

  第3章 古代

  第4章 中世前期

  第5章 中世後期


  下巻目次

  第6章 近世前期

  第7章 近世後期

  第8章 近代前期

  第9章 近代後期

  第10章 現代

  あとがき



4. 中国滞在記

 『海蝶大陸へ渡る


  第一章 瀋陽

  第二章 蘭州

  第三章 上海

  第四章 再び上海




5.『大人に語る物理

    モノとコトの世界


プロローグ:

   モノとコトの世界への目覚め

第1章 出来事の場と秩序

第2章 モノの構成と

              そのふるまい

第3章 出来事 − モノの運動

第4章 モノの振動と波というコト

第5章 モノの集合の従う理

第6章 電気・磁気による

                     出来事

第7章 電磁波というモノ

第8章 出来事の相対性と時空

第9章 微視的世界のモノとコト

エピローグ:

 モノとコトの世界から

               ヒトの世界へ

あとがき








































































   http://www.hakkoan.net = http://hakkoanshobou.net  


   このホームページは、下記の「白江庵雑記へのいざない」にも書いたとおり、

   一人の人間が自己啓発と自己研鑽のために記すものです。ほかの人が

   読んで価値があるかもしれないまとまったものは、冊子にしてアマゾンに

   出品しています。すでに傘寿を過ぎた者にもこういう修行が必要だと思うので

   今少し続けていくつもりです。


 

   2025年1月1日 「蝶の雑記帳 131-1〜131-9」をまとめて

            新著『日本古代史像の転換 倭国から日本国への王朝交代』を出版し、

                           アマゾンで販売。

   2025年1月2日  雑詠日記『可楽余韻』巻の一(2024年)を公開・

     2023年7月  電子書籍『科学的認識論の構成 と『正法眼蔵』批判』 

             をアマゾンに出品しました。 

               ペーパーバックで読むことができます。Kindle unlimited で0円

     2023年1月2日 『稲はどこから来たか 気候地理学的な推論 第2版を、

              電子書籍化。 Kindle unlimited で0円

        書籍『稲はどこから来たか 気候地理学的な推論』を、アマゾンに出品しました。

     2022年 電子書籍『日本神話の起源と変遷』をアマゾンに出品しました。

           ペーパーバックで読むことができます。Kindle unlimited で0円

     2021年 『論考 王都太宰府の歴史』を、電子書籍にしてアマゾンに出品しました。

           ペーパーバックで読むことができます。Kindle unlimited で0円

     2021年4月8日 

         書籍『日本国はどのようにして成立したか 王朝交代規範からの推論』

          を発行し、アマゾンに出品しました。

     2019年 書籍『倭国はここにあった 人文地理学的な論証』を発行。

     2018年5月  中国滞在記 海蝶大陸へ渡る』を電子書籍にしました。

     2014年11月

   中国滞在記『海蝶大陸へ渡る』を、第2回 潮アジア・太平洋ノンフィクション賞に

    応募するために改訂して縮約版にしました。応募して最終選考に残りましたが、

    受賞には至りませんでした。ともかくそれをここに載せます。



                     白江庵雑記 目次



    第一部  蝶の雑記帳


       1.「蝶の雑記帳

              2025年 133- 

       new  2024年 127-132

              2023年 119-126

             2022年 108-118

            2021年 97-107

              2020年 91-96

            2019年 78-90

            2018年 65-77

            2017年 49-64

            2016年 36-48、付録

            2015 23-35、付録

            2014 11-22、付録

            2013 1-10、付録



        進行中の雑詠日記 「可楽余韻」篇 


        new 巻の一  2024年



    第二部 雑詠日記



       4.「海蝶息音」篇 九巻 (2015年-2023年)

       3.「海蝶夢話」篇 九巻 (2006年-2014年)

       2.「秋水泡語」篇 九巻 (1997年-2005年)

       1.「徐山猿声」篇 九巻 (1988年-1996年)



    第三部 エセー (試み)

       日本列島の古代史

         『倭国はここにあった』


       1.『孫に語る歴史』 十章

       2.中国滞在記 『海蝶大陸へ渡る』 

       3.『大人に語る物理 モノとコトの世界』 九章




                    白江庵雑記へのいざない


  この文集は、一人の平凡な人間が日々に漏らすつぶやきを拾い集めて、言葉に

 表現しようとするものである。さらに、それぞれ目標をもってまとまった文として

 書いたものを付け加えることにしよう。


  若い頃から簡単な日記をつけていたが、そのうち書物を読んで感銘を受けた

 言葉を書き写したりするようになり、読書ノートを兼ねるものになっていった。

 さらに、日々の感興を俳句や短歌にする試みを始めたのは、1988年、前年春

 までの八か月足らずのイギリス滞在から帰った後のことである。日本語の敬語

 に端的に表われているように、日本では言葉を話すことからして人間関係に気

 をつけなくてはならない。その社会から外国に出て一時的に自由な暮らしをし

 てみたら、日々伸びやかに生活することの大切さを痛感した。こうしてわたし

 の日記は、折々ふと浮かんだ詩情や心をよぎった言葉をもつづる雑記帳と化し

 た。

  一年経って、前年の詩歌に類するものを拾い集めて一つの冊子にした。パー

 ソナル・コンピュータを使って印刷し、B5用紙を二つ折りにしてホチキスで

 綴じたささやかなものだ。詩歌の形式に表現したにすぎないつぶやきも、その

 形式が印象を持続させる効能をもつことを知って、次の年も継続した。それが

 習慣となって追い追い小冊子が九冊になったとき、ひそかに「徐山猿声」篇と

 名づけて区切りをつけた。それがわたしの私家版文集の始まりである。

  句や歌と言っても、会に参加するのでもなく、季語を知らぬ者が句を発し、

 歌論を読まぬ者が五七の言葉を連ね、平仄も韻も分からぬ者が漢字を並べるの

 である。その試みは、日常の生活に押し流されることへのささやかな抵抗であ

 った。雑詠記録は大小の感動をしばらくわたしの内に永らえさせ、精神生活に

 彩りを添えて励みにもなる。


  その後も少しはよいものができればと、篇名を「秋水泡語」と改めて続け、

 九年経ってまた九冊の小冊子ができた。これもまだ秘蔵して人に見せるほどの

 ものではなかったが、いろいろの事に出合いまた身体に一つの異変が見つかっ

 たこともあり、そろそろ形見になるものを作っておこうと思い立ち、九冊から

 選集して『雑詠日記 秋水泡語』(海鳥社)という自費出版の書物にした。二〇

 〇六年秋のことであった。


  本を出した翌年、わたしは思うところがあって職を辞した。そのとき知人

 に送った挨拶状はこの文集の色合いを示すものだから、ここに再録しよう。


 拝啓、山々に新緑が萌え出しています。ご健勝にお過ごしのことと拝察いた

します。この度、・・・・・・以来三十五年勤めました・・・に辞表を提出して退職

いたしました。長年お世話になりましたこと心よりお礼申し上げます。

 さて、「五斗米をけって花野にあるべきを」という句が口をついて出たのは十年

余り前のことでした。陶淵明は、どのような人間たちとそのうごめきを目の当たり

にして、「帰去来兮の辞」を書いたのでしょうか。わたしの生家は、田園になく

海浜にあります。その浦の苫家に、定家卿に抗して数年前桜や楓を植えまし

た。内海とはいえ潮風に花や紅葉も傷みがちですが、テイカカズラはしっかりと

根を張っております。家持卿に倣って種々の草花を愛でることにいたしましょう。

また、尊敬するM・モンテーニュのように、東坡を耕してキャベツを育ててみよう

と思います。「われわれは夢と同じもので出来ている。そしてわれわれの短い

一生は、眠りとともにおわる」と言ったのは、荘周だったでしょうか、W・シェイクス

ピアだったでしょうか。鴨長明の覚悟も良寛の強靭さをも持ち合わせぬ身では

ありますが、思索の生活を選んだ先人を師として人生という夢を深く味わいたい

ものだと思っております。

 なお、四月下旬から一年間中国瀋陽で、日本の大学へ進学を目指す高校

生の物理の学習を手伝うことになりました。文の国中国で見聞を広げいささか

老境を耕してみます。

 異例の文章をもって退職の挨拶状とすることをお許しください。

 ご健康をお祈り申し上げます。

    二〇〇七年四月              白江庵主人海蝶 敬白



 陶淵明に倣い、世間から距離をとって世界を見つめようと考えたのである。とこ

 ろが、大陸へ入唐求法の旅に出かけたことが縁となって、続く三年間も短期間ず

 つ中国に滞在する機会を授かった。四年間で合わせて一年余り中国で暮らしたこ

 とになる。



  隠退して晴耕雨読の生活をするという計画はいったん先送りになったが、やは

 りどこかで老年の節目をつけるのがよいだろう。二〇〇九年の暮れ近くに、夫婦

 で老母を連れて故郷に住まいを移した。生家は水平線の見えない内海の白い潟と

 呼ばれる地にある。寓居を白江庵と名づけ、そこに住む者の号を海蝶とした。


  毎日東の小さな海と対岸を見て暮していて、この狭い内海の世界がわたしを麻

 痺させることを恐れるけれども、幸い、「海蝶夢話」と名を変えた雑記帳の記録

 は続いている。そして、『古今集』撰者の「いきとしいけるものいづれかうたを

 よまざりける」という言葉にのせられて、雑詠を集めて小冊子を作る習慣もまだ

 続いている。ところで以前から、読書ノートでもある日録の影響で、句や歌の詞

 書き以上の文を「雑詠日記」に含めていた。しだいに散文も加えようなどと向こ

 う見ずなことを考えていたのである。実際二〇一一年に、出合った出来事に促さ

 れ、また歳には勝てず饒舌の気も加わって、雑多なつぶやきを省かずに記すよう

 な書きぶりに変わった。そこで、「海蝶夢話」を前の「雑詠日記」二篇と切り離し、

 「日付けのある雑詠と随想」という表題の中の一篇ということに変更する。第二

 部に入れるこの「海蝶夢話」は、江海に住まう蝶が姿を消すまで続くことになる

 だろう。


  上で散文と言ったが、拙いながら一定のまとまりのある文が二篇できているの

 で、その「試み」をモンテーニュに倣い「エセー」と称して第三部に載せよう。

 あのふところ深い人は、すでに詩(?)をつくるわたしの無謀にあきれているはず

 だから、エセーという僭称にも、苦笑いして大目に見てくれるだろうか。

 故郷に住むようになってから、合わせて一年余りの中国滞在中の出来事や感興

 や考えたことを、文章にしてみようと思い立った。その試みが『海蝶大陸へ渡る

 である。主観的には興味深い経験だったと思うけれども、人に読んでもらえるほ

 どのものになったか、わたしの文章力が試される。

  ところで、白江庵住人は、大学にいて教養科目の物理の授業を担当し、曲りな

 りに理論物理学の研究に従事していた。その授業で、こちらの心づもりと学生の

 受け止めとの間の隔たりを感じて、長く欲求不満を感じていた。退職後、遅れば

 せながら欲求不満を解消するために、物理を大人に語るという書き物にまとめて

 みた。題して『モノとコトの世界』。書き終わってみると、物理の本質である数理

 を手放せなくて、まだ多くの人に読みやすいとは言い難い。もう一段の手直しが

 必要であろう。しかし、それにはまた相応の時間がかかる。しばらく今の形のも

 のを収録しておくことにする。


  こういう次第で、「白江庵雑記」は冒頭に掲げたような目次を持つ。今後も口を

 ついて出るつぶやきを加えていきたいと思っているから、常時作成途上にある。

 卑小の身で陶淵明やモンテーニュのまねごとをすると称しているのは、自分を鼓

 舞するためである。そこから何がしかのものが生まれてくることを願う。浦の苫

 屋の住人は、荘周の故事を思い起こせば、胡蝶の見ている夢ということになる。

 海辺に暮らす蝶の夢を書きとめようとするこの雑記が、これからどんなものにな

 るかは定かでない。  (注: このときの目次は2013年に変更した)


  願わくば、このホームページを開いて、読んでくださる人々がありますよう。


                                   2011年



+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

           これ以後にページを加えたときのメッセージ



  『孫に語る歴史』へのいざない        2012年8月


  故郷に帰っての引退生活も三年になります。電子メールも月に二三通来ればよい

方で、来るのは企業の案内文や大量の迷惑メールだけになってきました。それも選んだ

生活の自然の成り行きで、とくに不便はありません。いなかでもインターネットで、さまざ

まのことを知ることができ、書物を注文することもできますから。ただ、情報の海の中に

ある現代の生活では、いなかにいても情報とうまく距離をとることが問題になります。そ

の付き合い方が少しは身についてきたでしょうか。江海に住まう志を遂げることができ

ないわけではないだろう、と思っています。


  他方、自然の身近に生活して、年ごとに気候が変わり、花木の花の付きや木の実の

付き方が毎年違うことを知りつつあります。初めて四季の巡りを実感しているのです。

喜ぶべきことでしょう。眼の前の海と対岸の山と空が、日々色あいや透明度を変え変化

していって、親密さや無関心さを感じさせます。やがてこの風景に溶けこむことができる

でしょうか。


  人にほとんど会わず日を送るのに、気をつけなければならないことは、生活が間延

びすることです。毎日にめりはりをつけるために、ここのところ歴史を勉強しています。

そうしているうちに、それを「孫に語る歴史」という物語にしよう、という分不相応な考え

が浮かびました。凡人にはつまらない考えが起こるものです。しかし書き出すと、元来

の歴史好きなので、それがおもしろくなりました。孫のために少しは役にたつものが

できるかもしれないし、興味を持てることで日々に秩序を与えることはよいことでしょう。

  こうしてこの夏までに、上下十章の予定の半分ができました。じつは、まだ下巻には

全然手がついていません。孫が中学生ぐらいになった頃読んでもらうつもりで書き進め

ていて、孫たちはまだ小さいのです。これから修正する時間があるでしょう。それでも念

のために、上巻を一応形にしておこうと思います。


  読んで下さる奇特な方がおられて、誤りを指摘するなど、改善に力をかしてくだされ

ば、望外の幸せに存じます。


                                 恐惶頓首


                 2012年8月             白江庵主人



  『孫に語る歴史 下巻』へのいざない    2013年3月


  2012年8月、上のような案内文を添えて上巻を公開しました。孫たちに語るため

とはいえ、たいそうなことを始めたものです。時間にゆとりがあることだけが頼りの

気の長い作業も、楽しいのでそれを続けることができました。やっと予定の現代に

まで至り、上巻下巻十章が完成しました。わたしにせいいっぱいの書き物です。

孫ではない人にも読んでもらえることを願いながら、公開します。



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   ページ「蝶の雑記帳」を追加し、全体の編成を若干変更します。 2013年7月


  日付けのある雑詠と随想をつづることはまだ続いていますが、少しまとまりのある

『孫に語る歴史』を書き終えたら、「雑詠と随想」に含めるとその調子を損なうような

思索もときどき頭をよぎり、それも書きとめてみようという気が起こりました。それらも

人に見せるほどのものではないのですが、今ではこのホームページが白江に住まう

海蝶の習慣ともなり、わずかな痕跡を残すよすがともなっているので、「蝶の雑記帳」

と名づけ書きつけてみます。短い雑文ですので、通常のホームページのように、

一つずつ横書きで載せていきます。


  わたしの四季は、このホームページで「雑詠と随想」とこの「蝶の雑記帳」に

表現されるわけですから、この二つを先頭の第一部に持ってくるように、編成を

改めます。上記の目次はこの変更後のものです。



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  「The Tables turned」


よろしい、書をおくがよい

しかし、もう片方の算盤もおくことだ

ご破算に願いましてはの世になったのだから。


よろしい、自然に帰りたまえ

久しいあいだ本当の自然であったことはないのだから

どうすればよいかって? それは自分で考えることだ。


さしずめ木を実生から育てたらどうか

生命とはそうしたものだから

森をどう航海すればよいか考えるのだ。


永い沈潜が必要だ、覚悟したまえ

木々が育ったら、一本の木から彫り出すのだ

カルキュレイトするものではない思考船を。


手のひらにのるその思考船は

おまえを乗せるほど大きい器でなければならない

また、おまえはそれに乗れるほど柔軟な身心であれ。


その船で世界を測量しながら

航海に乗り出せ

世界へ。




  「海図もない大海原へ」


小さな帆をもって海を渡ろうとする者よ

帆船も動かぬ凪の海に

あるいは大船が翻弄される嵐の海に

わずかな翅で空気を打つ者よ

何物も見えぬ大海原にあって

動いたつもりが、ただ同じ水平線を見て

焦燥しているのか、それとももう動じなくなったか

ただ夜々の星辰を見て季節の移ろいを測れ

気づいたら海図のない大海にいることを知った者よ

そこを渡ることが生きるということだったと知ったか

夢を天地の間の空虚に描こうとする者よ

そうすることで渡海の営みを続けているのか

思索の力を持つ者だけがそうするように

ささやかながら構想する者だけが

何物も見えぬ大海を乗りきることができる

果てしがないということにもちこたえることができる

今日海を、そして明日も海で

小さな翅を打て。




銀粉を大海原に、金粉を天空までも、蝶はちりばめ、

海原は濃く銀色に、天空は淡く金色、蝶は消え果て。



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                  蝶のいましめ

                   雑記帳の中身を公開するのだけれども、尊敬するモンテーニュは、

                  「われわれの努めは、自分の品性を作ることで、書物を作ることでは

                  ない。戦争と諸地方をかちとることではなく、生き方に秩序と平静さ

                  をかちとることである。われわれの光輝ある傑作は、立派に生きるこ

                  とである」と言っている。わたしの営みは彼の人の言葉に従うもので

                  なければならない。



 

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    このホームページを覗いた方で、ご自分の管理サイトにリンクを張ってくださる方がおられましたら、

    御礼申し上げます。

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            last update : 2025年1月2日

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